流通研究
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小売業家族従業の内部構造に関する一考察
台湾における個人商店と加盟店の比較
簡 施儀
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2005 年 8 巻 1 号 p. 17-34

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抄録

本稿では、既存研究を利用して「家族従業の内部構造」の枠組みを提示した。その枠組みとは、店と家庭における夫婦間の能力と規範を考慮した仕事配分である。そして、インタビューとアンケート調査を通じて台湾における個人商店と加盟店の間の相違を明らかにした。その結果は能力と規範が夫婦間の仕事配分と関連し、加盟店より個人商店のほうが規範概念に同意する傾向が高いことを明確にした。最後に、「家族従業の内部構造」が変化した部分とそうでない部分があることを示唆した。前者は、小売技術の革新にともない、加盟店店主である夫は規範概念に従わず能力を重視するようになったこと、後者は家族への一体感が存在するため、社会規範に従う仕事配分と金銭の管理者が妻であることである。

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