流通研究
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8 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 小川 進
    2005 年 8 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、新しい製品開発体制の枠組みを提示することである。消費が多様化し、その変化が激しい環境で需要変化への対応と強いブランド訴求の両方を実現するにはどのような枠組みが必要かを株式会社ワールドのSPA事業の事例分析を通じて明らかにする。そこでは、単線型・延期型という枠組みではなく企画・生産で投機と延期を併用し、複数の商品群に異なる役割を期待し、総体として開発成果向上を図る複線型開発の枠組みが提示される。
  • 台湾における個人商店と加盟店の比較
    簡 施儀
    2005 年 8 巻 1 号 p. 17-34
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿では、既存研究を利用して「家族従業の内部構造」の枠組みを提示した。その枠組みとは、店と家庭における夫婦間の能力と規範を考慮した仕事配分である。そして、インタビューとアンケート調査を通じて台湾における個人商店と加盟店の間の相違を明らかにした。その結果は能力と規範が夫婦間の仕事配分と関連し、加盟店より個人商店のほうが規範概念に同意する傾向が高いことを明確にした。最後に、「家族従業の内部構造」が変化した部分とそうでない部分があることを示唆した。前者は、小売技術の革新にともない、加盟店店主である夫は規範概念に従わず能力を重視するようになったこと、後者は家族への一体感が存在するため、社会規範に従う仕事配分と金銭の管理者が妻であることである。
  • 共約不可能性と交換
    水越 康介
    2005 年 8 巻 1 号 p. 35-50
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    元来、マーケティング方法論研究は、メタ理論研究として、マーケティング論そのものの正当性を問題としてきた。しかしながら、1980年代におけるマーケティング方法論論争以降、マーケティング方法論研究とマーケティング論は、メターオブジェクトレベルの関係を失ったように思われる。本稿では、この点をむしろ新しい可能性として捉え、マーケティング論のためのマーケティング方法論研究の意義を考察する。具体的には、本稿では、マーケティング方法論論争における共約不可能性問題を転回点として、マーケティング論との接点を考察する。そして、帰結として、マーケティング論の核概念であるとされてきた交換の前提として、共約不可能性が位置づけられる可能性があることが指摘される。
  • 推論に基づく属性信念の形成
    須永 努
    2005 年 8 巻 1 号 p. 69-85
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    消費者が日常的に接している広告や購買場面では、必ずしも自分の必要としている情報がその場に存在するわけではなく、すぐに入手できるとも限らない。しかし、そのような状況であっても、消費者は与えられた情報のみを用いて評価や意思決定をするのではなく、推論することによって必要な情報を自ら創り出している。消費者行動研究の領域では、他ブランド平均型推論、確率型推論、評価一致型推論、代償型推論という4つの推論タイプの存在が明らかにされている。遂行される推論タイプが異なると導かれる結論も異なってくるため、マーケターはそれぞれの推論がどのような要因によって生じるのか理解する必要がある。
    本研究では、3つの外的要因 (属性問の相関関係、市場の効率性、ブランド問知覚差異) と2つの内的要因 (製品カテゴリーヘの馴染み、推論対象属性の重要度) に注目し、それらの要因が4つの推論タイプへどのような影響を及ぼすのか考察している。調査を行って分析した結果、各推論タイプと5つの影響要因の関係が明らかにされた。
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