消費者が日常的に接している広告や購買場面では、必ずしも自分の必要としている情報がその場に存在するわけではなく、すぐに入手できるとも限らない。しかし、そのような状況であっても、消費者は与えられた情報のみを用いて評価や意思決定をするのではなく、推論することによって必要な情報を自ら創り出している。消費者行動研究の領域では、他ブランド平均型推論、確率型推論、評価一致型推論、代償型推論という4つの推論タイプの存在が明らかにされている。遂行される推論タイプが異なると導かれる結論も異なってくるため、マーケターはそれぞれの推論がどのような要因によって生じるのか理解する必要がある。
本研究では、3つの外的要因 (属性問の相関関係、市場の効率性、ブランド問知覚差異) と2つの内的要因 (製品カテゴリーヘの馴染み、推論対象属性の重要度) に注目し、それらの要因が4つの推論タイプへどのような影響を及ぼすのか考察している。調査を行って分析した結果、各推論タイプと5つの影響要因の関係が明らかにされた。
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