主催: 一般社団法人 日本機械学会
会議名: 第34回バイオフロンティア講演会
開催日: 2023/12/16 - 2023/12/17
口腔外科では治療法として下顎枝矢状分割術がよく用いられるが, 骨ノミで下顎を切除するときに過剰な力を加えることにより部分的な骨折を起こす場合があることが報告されている. そのため, 加えている力の定量的評価およびその訓練システムが必要とされている. 本研究では, 臨場感のある手術シミュレータを実現するためにノミによる切削運動の状態推定システムを開発した. 本手法ではInertial Measurement Unitセンサにより骨ノミの姿勢と加速度を, LiDARカメラにより変位と速度を計測する. 計測したデータは拡張カルマンフィルタによって統合される. 開発した推定手法の有効性は ABS 樹脂を切削する実験を行うことにより検証した. 実験の結果から10 mm程度であれば精度よく推定できるが, 骨ノミ切削動作解析には1mm以下の精度を導出することが求められるため, さらに推定手法を検討していく必要がある.