機械學會誌
Online ISSN : 2433-1546
旋盤効率試驗に就て
中田 孝速水 航夫
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1933 年 36 巻 191 号 p. 172-176

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抄録

切削力の互に直角なる三つの分力に相當する個々別々なる負荷装置を考案し、材料を切削せず而も切削したと同様の力を旋盤に與へ、其れの旋盤損失動力並に効率に及ぼす影響を求めた。又本實驗の特徴とする處は、以上の負荷装置は負荷すべき三つの分力の大さの割合を變化せしめ得ると同時に、分力の一つを單獨に旋盤に働かせ、切削力の三つの分力の夫々が旋盤効率に如何なる影響を與へて居るかを知り得る事であつて之は實際切削して居ては知り得ない事である。我々の使用した中心高400mm, Norton式變速装置附き萬能旋盤の損失動力は普通使用範圍に於て動力軸速度、主軸速度、主軸に懸るトルク及軸受温度にのみ影響され、其の他の分力、正面力(Radial force), 横側力(Traversing force)及縦送りには殆ど關係せぬ事が分つた。尚使用範圍を越して主軸中心を垂直に押し上げる力250kg以上になると其の爲の損失動力が非常に増加する。最後に以上の關係を表はす實驗式及ノモグラフを作り同種類旋盤の損失動力測定法の一助とした。

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© 1933 一般社団法人日本機械学会
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