抄録
強誘電体におけるドメインをモデル化した要素を用いた有限要素法により,圧電材料の非線形挙動のシミュレーションを行なった.本解析では要素ごとに異なる分極方向を定義し,分極反転基準を満足した場合にその要素の材料特性を反転方向に座標変換する方法を用いた.部分電極を有するPZTについて解析を行なった結果,ある負荷電圧以上においては電極縁近傍の電界集中により分極反転が生じ,これにより局所的に大きなひずみが生じることがわかった.以上の結果より、繰返し電界下でのPZT電極不連続部に見られるき裂発生を説明することができた.