抄録
帯電による表面応力を利用したナノ多孔質金属のアクチュエータへの適用実験が行われている.そこで,金属表面が帯電によって表面応力を変化させるメカニズムを明らかにするため,平面波と原子軌道の混合基底法による密度汎関数理論第一原理計算を行った.表面電子の化学ポテンシャルの面内ひずみに対する微係数よりマックスウェル関係式を用いて表面応力の帯電に対する変化を求めることができ,実験結果をよく説明した.帯電により面内方向の結合力が変化する直接的な要因と,表面原子層間距離の変化による間接的な寄与が明らかとなった.