抄録
独立ピッチ制御可能な二枚翼の水平軸プロペラ型風車模型を製作し,ピッチ制御に伴い発生するネガティブダンピングを実験的に明らかにしようと試みた.供試模型はタワーが転倒する方向に一つの自由度を持ち,重心はこの回転の中心よりも下にあるので通常は安定な状態である.この風車模型に送風機からの風を流入させ翼を回転させる.この状態でそれぞれの翼のピッチ角を周期的に変化させてタワーが転倒する方向のピッチングの動揺角度を変化する様子を連続的に測定した.実験では風速は一定とし,この状態で翼のピッチ角の変動周期を連続的に変化させた.ピッチ制御の動作周期を左右の翼で異なる値とすることのネガティブダンピングに対する影響を実験的に明らかにすることを目的とする.