抄録
歯付ベルト駆動は, 各種自動化機器のサーボ駆動系に広く用いられている。しかし, 歯付ベルト駆動系にはベルト1周期当りの心線数の変化や軸の偏心, 歯とプーリのかみ合いなどによる周期的な伝達変動が生じる。本研究では速度制御における周期的な伝達変動を制御的な手法を用いて抑圧する。従来のI-P制御では変動の抑圧のために制御ゲインをあげることが考えられるが, それによって駆動系の弾性, モデル化誤差などで制御系が不安定になりやすい問題がある。そこで変動トルクを外乱とみなし, 外乱オブザーバによって推定し, それによる外乱を補償することで効果的に伝達変動を抑える結果が得られた。