抄録
近年,様々な天体からのサンプルリターンが計画されており,我々は信頼性の高いサンプリング機構として静電力を利用した機構を開発している.地球上では重力や空気抵抗などが原因で,この機構の宇宙環境上における性能評価を行うことができないため,数値計算によるシミュレーションが必須である.従来のシミュレーションでは粒子に対して単純な誘電泳動力が作用するという計算を行っていたが,交流電界中の誘電泳動力については不明瞭な部分があった.そこで本研究では粒子にはたらく交流電界中における誘電泳動力の時間応答性を解析し,新しい計算モデルを構築した.この結果,より信頼性の高いシミュレーションを行えるようになった.