抄録
車いす使用者にとって使い心地の良い,身体負担の少ない車いすを実現するためには従来の経験的な定性的評価に加え・工学的解析手法に基づく定量的評価が必要とされる.そこで本研究では,車いす駆動における上肢負荷を関節トルクと力学的仕事として定量化するため,上肢運動軌跡とハンドリム駆動力を計測可能な3次元計測システムを開発した。そして,脊髄損傷者8名に対する車いす駆動計測を行い,車いす適合パラメータの二つである駆動輪軸位置と上肢負荷との関係を定量的に解析した.本研究の結果は,これまで車いす使用者の感覚と,その聞き取り調査に頼ってきた車いすの適合評価に対して,上肢関節トルクと力学的仕事という一つの客観的な指標を加えるものである