日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第58回日本衛生動物学会大会
セッションID: B17
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エアゾールの溶剤量が粒子径・付着量および効力に与える影響
*杉浦 正昭
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抄録

(目的・方法)
殺虫エアゾールにおいて、汚染を低減するために溶剤の量を減少させると、特に直撃による効力が低下することが知られている。また、エアゾールの溶剤量が粒子径に影響することも知られている。効力が低下する原因として、溶剤量の減少による粒子径の変化が虫体への付着量に影響を与えている可能性や、虫体に付着した粒子の浸透性に溶剤量が影響を与えている可能性などが推察されるが、主因については明確に調べられていない。
本報では、溶剤量減少による効力低下の原因を究明する目的で、殺虫エアゾールの溶剤量と粒子径、およびイエバエに対する直撃試験による虫体への薬剤付着量・ノックダウン効力の関係を調査した。
(結果)
その結果、溶剤量の減少にともない粒子径が微細化し、虫体への薬剤付着量の低下およびノックダウン効力の低下が認められ、粒子径・薬剤付着量・ノックダウン効力の間にはいずれも高い相関が認められた。
以上の結果から、溶剤を低減した殺虫エアゾールの効力低下の主因は、粒子径の微細化による虫体への薬剤付着量の大幅な低下であると考えられた。
本研究は、独立行政法人中企業基盤整備機構の委託業務による成果である。

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© 2006 日本衛生動物学会
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