日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: A24
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西宮市における蚊幼虫の発生状況調査(3):GISによる幼虫発生状況の解析と防除対策立案にむけて
*二瓶 直子吉田 政弘水谷 正時駒形 修望月 貫一郎小林 睦生
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抄録
兵庫県西宮市における蚊の発生状況を把握するため10調査地域42町丁において幼虫調査を行っている。しかし、雨水枡(マンホールや会所)の有水率、 ボウフラ陽性率、幼虫発生密度と種類には、同市内における地域差の存在が推測される。すなわち西宮市の地形は山地、丘陵、台地・段丘、扇状地、緩扇状地、低地、埋立地(人工造成地)の地形面に分けられ、有水率が高くボウフラ陽性率の高い雨水枡は低地に多く、有水率の低い雨水枡は山地、丘陵、台地、段丘扇状地の傾斜地、人工造成地にあると予想される。調査対象地域の道路・公園・学校・幼稚園にある雨水枡の合計は11,000個以上にのぼり、夫々の雨水枡のボウフラ陽性率の状況を把握し、地形・標高・傾斜などの地域的特徴を正確に把握するためには、デジタルマップを利用してGISで管理し、他の環境要因との関係を検討することが望まれる。西宮市は2,005年から連続2年、日本の自治体1,613中一位のe都市とランク付けされ豊富な情報やサービスを提供し、地図情報システムや防災用の被災者支援システムなども、独自に開発して運用していることから、それらをウエストナイル熱などの媒介蚊幼虫発生状況の監視へ利用することが可能であると考えた。GISソフトとしてはMapInfoおよびArcGISを用い、西宮市で作成しているMapInfoで作成されたデジタルマップや紙の白地図である1:2,500地形図を基本図として、調査に供し、雨水枡の位置を記入し、Excelにまとめられた蚊幼虫の陽性率や蚊の種類などを重ね合わせて検討している。
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© 2007 日本衛生動物学会
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