日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第61回日本衛生動物学会大会
セッションID: B06
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一般講演
石川県かほく市における蚊の発生調査
*渡辺 護米島 万有子山内 健生及川 陽三郎
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抄録
演者らは、近年危惧されている気候変動・地球温暖化に伴う蚊媒介性感染症の流行の懸念に対し、現時点での媒介蚊の発生状況を把握する必要を感じ、富山県などで調査を行って来た。この過程で、マラリアを媒介するシナハマダラカ群が極めて少ないことが明らかになって来た。そこで、戦前戦後にマラリア患者が多かった石川県における蚊発生の現状を知ろうと思い調査を行った。調査方法はかほく市の河北潟干拓地の東端に隣接する豚舎において、6月~10月の毎週水曜日にライトトラップ捕集で行った。さらに、8月9日と30日にドライアイスを付加したCDCトラップ延べ16台を、干拓地内の牛舎周辺と水路周辺に一晩設置した。また、豚舎での成績を、16km離れた富山県小矢部市の牛舎での成績と比較した。
 豚舎ではコガタアカイエカが全体の98%、13,140個体が捕集されたが、シナハマダラカは僅かに10個体であった。CDCトラップではシナハマダラカは全く捕集されず、コガタアカイエカが大半を占めた。牛舎近くのトラップではアカイエカの占める割合が高かった。豚舎におけるコガタアカイエカの捕集推移は7月中下旬に最も多数が捕集される1峰型を示し、小矢部市における9月中旬に急峻な山を形成する1峰型とは明らかに異なった。なお、小矢部牛舎でもシナハマダラカは僅かに9個体の捕集であった。
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© 2009 日本衛生動物学会
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