日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第64回日本衛生動物学会大会
セッションID: A09
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第64回日本衛生動物学会大会
ケニア西部(GembeEast,Mbita)におけるマラリア媒介蚊のピレスロイド感受性に関する調査(6)南部および西部ケニアにおけるAn.gambiae s.s.およびAn.arabiensiskdr遺伝子の分布について
*川田 均二見 恭子駒形 修葛西 真治冨田 隆史C. MwandawiroS.M. Njenga皆川 昇高木 正洋
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抄録
Anopheles gambiae s.s.とAn.arabiensisは,ケニア全土に広く分布する主要なマラリア媒介蚊である. 両種には電位依存性ナトリウムチャンネルにおける 2つのミューテーション(L1014F と L1014S)がこれまで報告されており , いずれもピレスロイドに対するノックダウン抵抗性(kdr)を司る遺伝子変異と考えられている . L1014F変異はアフリカ西部に主に分布し, L1014S変異はケニアを含むアフリカ東部に分布するが, いずれも主としてAn.gambiae s.s.に見られる遺伝子変異で,An.arabiensisにおけるこれらの遺伝子変異の報告は極めて稀であった.演者らは,ケニア南部および西部を中心に発生源調査を2008年から2010年にかけて行ったが, L1014S変異はAn.gambiae s.s. において広範囲に分布し,かつ高頻度でhomozygousであったのに加えて,この変異は低頻度ながらAn.arabiensisにおいても同様にケニア西部を中心に広く分布することが分かった. これは,ケニアのAn.arabiensisにおける広範囲なL1014S変異の分布に関する最初の報告である.
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© 2012 日本衛生動物学会
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