日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第64回日本衛生動物学会大会
セッションID: A11
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第64回日本衛生動物学会大会
ケニアにおけるAnopheles gambiaeAn.arabiensisの分布
*二見 恭子Gabriel Dida皆川 昇
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抄録
Anopheles gambiaeAn. arabiensisは,アフリカの主要なマラリア媒介蚊である.両種は同所的に分布し,形態や生息環境が類似しているが,吸血場所や好む吸血源は異なるため,この2種の種構成はマラリア伝播に大きな影響をもたらすと考えられる.ケニアでは両種の分布は部分的にしか解明されておらず,過去の採集情報のほとんどは海岸地方とビクトリア湖畔に集中していた.演者は2008年から2009年にかけて,ケニアの広い範囲で調査を行い,500カ所以上で両種の幼虫を採集した.形態形質及び分子的手法を用いて採集された幼虫種を決定し,各地の種構成を調べた.その結果,1) An. arabiensisは国内に広く分布する一方で,An.gambiaeは東部,西部ケニアに集中していること, 2)An.arabiensisはマラリア感染率が低いとされている地域にも高頻度で分布していることなどが明らかになった.さらに,各種が採集された地点の緯度経度と,各月の気温,降水量,植生などの環境データをMaxEntで解析し,分布確率を上げる環境要因を推定した.その結果,両種とも5月の降水量が最も影響し,降水量が増えるほど分布確率が上がった.しかし, 2番目,3番目に影響を及ぼす要因は各種で異なり,An.gambiaeには7月,10月の降水量が,An.arabiensisには4月の降水量と9月の最高気温が影響した.これらの結果から,季節変化のもとで各種集団が持続可能な条件について考察する.
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© 2012 日本衛生動物学会
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