日本重症心身障害学会誌
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B08 当園での在宅準重症児(者)、超重症児(者)へのリハビリテーションを中心とした療育支援
金城 良子大城 聡平安 京美仲田 行克
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2010 年 35 巻 2 号 p. 251

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抄録
はじめに 在宅生活を送る準超重症心身障害児(者)、超重症心身障害児(者)(以下、準・超重症心身障害児(者))は年々増加する傾向にあり、これら重症児(者)を支える在宅支援サービスの充実が望まれている。当園でも、沖縄県の委託を受け障害児等療育等支援事業(以下、療育支援事業)のひとつである在宅支援訪問療育等事業(以下、訪問療育)を利用し、外来受診が難しい在宅準・超重症児(者)に対しリハビリテーションを中心とした療育支援を行ってきた。今回、在宅支援サービスにおけるリハビリテーション支援の必要性を明らかにする目的で、当園訪問療育事業の利用者が受けている支援状況について検討を行ったので報告する。 対象・方法 平成15年度から平成21年度までに当園訪問療育事業の利用登録者数20人(男性13人、女性7人、利用時年齢1〜23歳)の中で、平成21年度に本事業を利用した11人を対象とした。この対象11人について、自立支援法による在宅サービス(居宅介護、短期入所など)の利用状況、医療保険による在宅サービス(訪問看護、訪問リハビリテーションなど)の利用状況、現在受けている訪問療育事業への要望、などについて調査し検討を行った。 結果 全例が訪問看護、居宅介護などのサービス制度について知り、実際にそれを利用していた。一方、訪問リハビリテーションについては、その制度について知っているにもかかわらず利用しているのはわずか2名のみであった。また11例全例が当園が実施している訪問療育の継続を今後も望んでいた。 考察 対象者のリハビリテーション支援へのニーズは高いけれども、実際にはそのサービスを受けられない現状があった。今後もこの訪問療育を希望する利用者は増えると予想されることから、在宅支援サービス事業者間での連携を強化する必要があると思われた。
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© 2010 日本重症心身障害学会
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