日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
A02 難治てんかんに対するレベチラセタムの使用経験
奥野 章影山 さち子
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2011 年 36 巻 2 号 p. 268

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抄録
はじめに 新規抗てんかん薬レベチラセタム(LEV)の重症児者に対する使用効果につき検討したので報告する。 対象/方法 対象は、当院および国立宇都宮病院入院中の難治性てんかん患者で、多剤併用を余儀なくされている20例(男12名 女8名)、基礎疾患は周産期低酸素脳症、未熟児、髄膜炎後遺症、硬膜下血腫、染色体異常症その他原因不明等であった。病型は症候性局在関連てんかん、症候性全般てんかんで、発作型は複雑部分発作、二次性全般化部分発作であった。LEV投与時期と前年同時期を比較検討し、LEVの効果を発作発現頻度減少率から検討し、75%以上減少を著効、75%未満50%以上減少を有効、50%未満25%以上減少を改善25%未満減少を不変、発作増加したものを悪化と評価した。 結果 著効19%、有効29〜33%、改善19〜24%であった。現時点での有効率は48〜52%で、効果ある例では、投与開始早期より発作回数の減少傾向が認められた。傾眠、頭痛、衝動性等が比較的頻度の高い副作用として知られているが、全例血液検査も含め異常は認めなかった。 まとめ LEVの難治性てんかんに対する有効性を認めた。LEVは、肝代謝を受けず、腎より排泄されるため薬剤相互性が少ない点で併用しやすく、半減期が短いため効果発現に早い症例では、翌日より発作減少が認められた。今後観察期間を延長し、発表前に再判定する予定である。
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© 2011 日本重症心身障害学会
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