抄録
はじめに
新規抗てんかん薬レベチラセタム(LEV)の重症児者に対する使用効果につき検討したので報告する。
対象/方法
対象は、当院および国立宇都宮病院入院中の難治性てんかん患者で、多剤併用を余儀なくされている20例(男12名 女8名)、基礎疾患は周産期低酸素脳症、未熟児、髄膜炎後遺症、硬膜下血腫、染色体異常症その他原因不明等であった。病型は症候性局在関連てんかん、症候性全般てんかんで、発作型は複雑部分発作、二次性全般化部分発作であった。LEV投与時期と前年同時期を比較検討し、LEVの効果を発作発現頻度減少率から検討し、75%以上減少を著効、75%未満50%以上減少を有効、50%未満25%以上減少を改善25%未満減少を不変、発作増加したものを悪化と評価した。
結果
著効19%、有効29〜33%、改善19〜24%であった。現時点での有効率は48〜52%で、効果ある例では、投与開始早期より発作回数の減少傾向が認められた。傾眠、頭痛、衝動性等が比較的頻度の高い副作用として知られているが、全例血液検査も含め異常は認めなかった。
まとめ
LEVの難治性てんかんに対する有効性を認めた。LEVは、肝代謝を受けず、腎より排泄されるため薬剤相互性が少ない点で併用しやすく、半減期が短いため効果発現に早い症例では、翌日より発作減少が認められた。今後観察期間を延長し、発表前に再判定する予定である。