日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
症例報告
クランベリージュース飲用により腎盂腎炎発症頻度が減少しQOL向上につながった重症心身障害者の一例
篠澤 由香細木 興亜長田 文子内藤 早那恵村山 伸江樋廻 旬子村田 博昭
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2013 年 38 巻 1 号 p. 149-153

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抄録
事例は41歳のレッシュ・ナイハン症候群、超重症者の男性。腎結石があり細菌尿・膿尿が持続し、36歳時から繰り返す腎盂腎炎による体重減少を認め、ベッド上の生活を余儀なくされていた。クランベリージュースは尿路感染予防効果があるとされているが、重症心身障害者への効果は見解が分かれるところである。本例に対して100%クランベリージュース300ml/日の飲用を試みた。その結果、腎盂腎炎発症頻度は著明に減少した。腎盂腎炎発症時の高熱の割合も減少し、抗生剤による治療開始から解熱までの期間が短縮した。腎盂腎炎発症頻度の減少により離床が容易になり療育への参加回数が増加しQOL向上につながった。
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© 2013 日本重症心身障害学会
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