日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-C26 ベクトル球面表示法による重度脳性麻痺患者の脊柱彎曲分類
平井 二郎高橋 知之古谷 育子栗栖 茂
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 39 巻 2 号 p. 270

詳細
抄録
緒言 昨年の本学会において、重度脳性麻痺患者の脊柱彎曲の指標となるベクトルの計算法について示した。今回、ベクトル終点の軌跡からグラフを作成、脊柱彎曲の病型分類を試みた。 目的 重度脳性麻痺患者の脊柱彎曲の病型分類を行うこと。 方法 2012年度に撮影した重度脳性麻痺患者40名の全脊椎CTのMPR画像をもとにした。個々の患者で、各24脊椎の変位を示すベクトルをエクセルで計算し、ベクトル終点の軌跡をグラフ化した。 結果 描いたグラフの形状により彎曲の構成数を数え、1C、2C、3Cに分類した。健常者に近いものはNとした。彎曲の程度の指標としては、グラフ曲線の囲む図形が、ベクトルが移動可能な範囲に占める面積の割合を求め、軽症(20%以下)S、中等症(20〜40%)M、重症(40%以上)Lの3つに分類した。類型は、N、1C、2C、3Cがそれぞれ9例、10例、11例、10例で、彎曲の程度は、S、M、Lの順に26例(65%)、9例(23%)、5例(13%)となった。 考察 各脊椎の変位を示すベクトル終点を球面上に表示すると、側彎、前後彎、回旋はそれぞれある一定のパターンでグラフ化された。グラフ曲線をS1(仙椎)からC1(頸椎)までたどると、彎曲が一定方向だけのものや、向きを1ないし2回変えるものもある。彎曲の重症度については、変位ベクトルが基準ベクトルに比べ大きく変位し、かつその変位の方向が一定でないものが重症度は大きいと考えた。これに相当する量としてグラフの描く図形の面積を対応させた。 結語 今後、データを蓄積し、脊柱彎曲の経年変化をとらえ、重度脳性麻痺患者の医療に役立てていきたいと考える。
著者関連情報
© 2014 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top