日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-C28 重症心身障害患者へのOnabotulinumtoxin Aによる多目的治療
根津 敦夫青山 晴彦唐澤 久美子金子 かおり筑丸 ゆり黒澤 真紀子増田 由香奥田 美津子
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2014 年 39 巻 2 号 p. 271

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抄録
目的 重症心身障害(PMD)患者へのOnabotulinumtoxin A(以下、BoNT-A)治療における多目的性と有効性を調査した。 方法 2014年5月までに当センターで施行したPMDへのBoNT-A治療(82名、487回)を、投与部位(下肢、上肢、頸部体幹)と治療目的(姿勢・運動機能の改善、疼痛の軽減、介護負担の軽減)から分別し、後方視的に効果を検討した。重症度は、全例GMFCSレベルVで、またMACSではレベルIVが10名、Vが72名であった。投与開始年齢は、平均14歳3カ月で、経管栄養40名、気管切開1名であった。 成績 投与部位は、下肢へ67名、上肢へ45名、頸部体幹へは56名で、いずれか1部位へは14名、2部位へは50名、3部位へは18名であった。最大投与量の平均8.7単位/kg(0.6〜15.6単位/kg)であった。治療の有効率は、姿勢・運動機能において下肢(座りやすくなる)31/35(88.6%)、上肢(遊びが広がる)25/27(92.6%)、頸部体幹(前を向く・そり返りの軽減)46/50(92.0%)であった。疼痛軽減においては、下肢11/12(91.7%)、上肢0/1(0%)、頸部体幹10/10(100%)であった。また、介護負担の軽減においては、下肢(着がえやすい)43/43(100%)、上肢(着がえやすい)31/33(93.9%)、頸部体幹(抱きやすい・食事しやすい)14/14(100%)であった。自然軽快は13名、無効は3名にみられ、計16名で治療を中止した。副作用は10名(12.2%)に認められ、主に誤嚥、嚥下困難、呼吸困難であったが、すべて軽症で2〜4週間以内に自然消失した。 結論 PMDの痙縮・ジストニアは広範囲なため、BoNT-A治療も広範囲かつ多目的になるが、比較的安全かつ有効性の高いことが示唆された。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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