抄録
目的
近年当センターにおいて、呼吸器管理などの重度な医療的ケアを在宅にて行っている重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))が、短期入所を利用することが増えている。そこで利用児(者)の実態を把握して、今後の対応を検討する。
方法
2013年度に当センター短期入所を利用された重症児(者)の年齢、病名、紹介元、利用回数、利用日数、呼吸器使用者の状態などを調査した。
結果
短期入所を開始した2006年度は、延べ利用回数が266回、そのうち呼吸器使用児(者)が14回だったのが、2013年度は延べ704回で、呼吸器使用児(者)が272回と急増している。2013年度は利用者実数181名で、その年齢は、平均18.1歳で、1歳〜59歳であった。病名は、先天異常が63名と最も多く、次いで脳性麻痺60名、神経・筋疾患9名である。居住地は当センター周辺4区が84名、それ以外が97名。呼吸器使用児(者)は、大学病院から20名、地域中核病院から18名の紹介があったが、地域の診療所からも8名の紹介があった。また呼吸器使用児(者)では、月に4.4回と呼吸器非使用児(者)より多く利用されていた。病名では呼吸器使用児(者)で先天異常・染色体異常が43%と呼吸器非使用児(者)よりも多かった。
考察
大学病院や診療所から紹介されたケースで特に医療度が高く、また先天異常を持つ方が多かった。これは大学病院などから医療的ケアを抱えて自宅に戻ることが多くなっていること、また先天異常・染色体異常のケースで長期入院化することが多いと報告されており、その実態を反映していると思われた。また呼吸器使用している重症児(者)は大学病院や、地域中核病院のみならず、地域の診療所からも紹介があり、診療所が在宅医として介在していることを示していると考える。今後このような医療的に重度なケースはさらに増加してくると思われ、療育施設は在宅支援の一環としての役割を期待されている。