抄録
はじめに
A病棟では個別性を重視した日中活動支援に複数取り組んでおり、2012年7月より療養介助専門員と児童指導員、保育士(以下、療育指導室)が協働で個別療育を実施している。今回、個別療育に取り組んだ関係職種の意識の変化と療育の有効性について検証し、考察したので報告する。
目的
個別療育の実践・評価をとおして関係職種の意識の変化を考察し、多職種と連携した療育の有効性を検証する
方法
期間:2012年7月〜2014年1月
内容:
1.個別療育の方法と内容の決定と情報共有
2.定期的に個別療育の評価を実施(3カ月毎)
3.個別療育評価時の意見をまとめ評価する
結果
個別療育の対象患者は反応が捉えにくく重症度が高い5名(以下、A)と行動障害をもつ5名(以下、B)計10名とした。平日午後にAB各1名、Aは療育指導室と療養介助員各1名、Bは療養介助員1名で実施した。初期の評価では療養介助員から患者の関わり方に関する質問や声かけのタイミングや反応を待つことの意味が理解できた等の意見があり、後期の評価では具体的な患者像の評価のコメントや日常生活全体を考えた療育に関する意見があがった。療育指導室からは発想や観察の視点の違い、患者への配慮点など新たな発見があったことや、他職種に療育を説明することの難しさを感じたなどの意見がでた。
考察・まとめ
個別療育を通して関係職種がそれぞれ意識に変化が見られたことは、療育支援を多職種で連携・協働して取り組み、それぞれの専門職の特性を発揮しながら、相乗効果を体験することになったと考える。また、専門職種間のコミュニケーションに戸惑いを感じながらも、自分の専門を絶対視せず、相対化することを実践や3カ月評価を通してそれぞれが体験できている。このように多様な専門職が連携して療育を支援する場を設けることは、療育の質的向上にとって重要であると考える。