日本重症心身障害学会誌
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P-1-F14 重症心身障害者病棟におけるHelicobacter pylori感染と除菌の貧血への効果
黒田 格神谷 裕子石井 佐綾香中村 幸介加賀 佳美杉田 完爾
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2014 年 39 巻 2 号 p. 301

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抄録
はじめに Helicobacter pyloriの感染率は、生活環境の変化によって一般的に低下傾向にある。しかし、重症心身障害者(重障者)病棟では高感染率との報告があり、H. pyloriの上部消化管疾患や貧血への関与を考慮しなければならない。今回、重障者病棟でのH. pylori感染と除菌効果を評価し、さらに上部消化管疾患や貧血への影響を検討した。 方法 当院重障者病棟入所者81名に対して、血中抗H. pylori抗体を評価し、陽性者にプロトンポンプ阻害薬(PPI)、アモキシシリン、クラリスロマイシンを1週間投与する3剤併用療法を行った。除菌の評価は除菌から2カ月後に便中抗原で行い、6カ月後に血液検査を再度行った。 結果 感染率は20歳未満47%(8/17)、20〜29歳67%(4/6)、30〜39歳88%(7/8)、40〜49歳100%(15/15)、50〜59歳85%(17/20)、60歳以上92%(11/12)で、除菌率は76%(26/34)であった。Hb 13.0 g/dl以下は38名で、そのうち33名がH. pylori陽性であった。Hb 8.0 g/dl以下の重症貧血を認めた既往例は5名で、PPIや鉄剤で加療されて貧血は改善していたが、今回の評価で5名ともH. pylori感染が判明した。また、軽度貧血が除菌のみで改善した(Hb 11.8 g/dlが6カ月後に14.3 g/dl)症例を1名で認めた。 考察 感染率は、重障者病棟入所者においても高齢者で高感染率となる一般的な感染パターンと同様のパターンであったが、全年齢で感染率が高く、特に40歳未満の低年齢者でも高い感染率を認め、院内感染が疑われる結果であった。除菌率はこれまでの報告とほぼ同等であり、不成功例には二次除菌を実施中である。重症貧血を認めた5名は胃・食道炎や月経を認め、出血で貧血が増悪したと推測される。現在継続中の鉄剤内服を終了して再評価の予定である。これまでに、1名が除菌のみで貧血が改善しており、重障者でも除菌による貧血の改善が期待できる。今後、評価を継続するとともに症例数を増やして検討の予定である。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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