日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
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P-2-E22 抗ヒスタミン外用薬によるアレルギー性接触皮膚炎の1症例
本澤 志方鈴木 敏洋稲毛 祐基子野口 ひとみ太田 秀臣荒井 康裕益山 龍雄岩崎 裕治有馬 正高加我 牧子
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2014 年 39 巻 2 号 p. 317

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抄録
はじめに 湿疹やかゆみなどの治療には外用のジフェンヒドラミン製剤(レスタミン軟膏®)が一般に使用されている。その使用後、皮膚症状はさらに悪化した。パッチテストでジフェンヒドラミン製剤がアレルゲンであることが確認され、アレルギー性接触性皮膚炎と診断した。文献的考察を含め報告する。 症例 24歳、男性。脳性麻痺のため、長期入所中である。アレルギー体質を認め、過去に食物アレルギーでアラフィナキシーを起こした既往がある。両手背に刺虫症を認めたため、ジフェンヒドラミン製剤の外用薬を使用した。一旦、症状の改善が見られたが、2〜3日後に両前腕の毛孔に沿って小丘疹を多数を認めた。ステロイド軟膏塗布への変更および抗ヒスタミンアレルギー剤の内服後2週間に症状が消失した。後日のパッチテストでレスタミン軟膏®がアレルゲンであることを確認された。 考察 接触アレルゲンはほとんどが分子量1000以下の化学物質でハプテンと呼ばれる。レスタミン軟膏®はやわらかく、のびやすい乳剤性軟膏である。毛孔から吸収され、ハプテンが蛋白と結合して、皮膚のlangerhans細胞に捕獲され、所属リンパ節に遊走し抗原情報をTリンパ球に伝え、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす。日々の診療には発疹の鑑別診断のひとつとして外用薬アレルギー性皮膚炎も念頭に入れる必要であると考える。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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