抄録
はじめに
本院は障害者、障害児病棟を設け、在宅と病院との中間施設として短期入院を受け入れている。親の体調不良で社会的入院が必要となる児は本院でも多い。しかし、母と同病棟内に入院した症例についての報告はみつからなかった、本院で小児と成人病棟が同病棟内に配置されている特性を活かし、母子同時入院となった症例に対し、多職種で取り組みを行ったので報告する。
症例紹介・経過
母:40代。検査のため急性期病院に入院。入院中にアテローム性脳血栓症発症、右片麻痺となる。約3カ月後リハビリテーション継続目的で本院障害者病棟に転院。子:染色体異常、多発奇形、10代女児。ADLは一部介助から全介助、デイケアを利用しながら母と在宅で生活。母の検査のため、急性期病院に社会的入院、母がの状態悪化後本院障害児病棟に転院、11カ月後呼吸状態悪化あり急性期病院に再入院、気管切開、胃瘻造設後本院再入院。当初は在宅復帰も検討されたが、母は車いすが必要で高次脳機能障害もあり、自宅復帰は困難と判断、施設入所までの約8カ月間、母子同時入院となった。突然母子分離を強いられた親子にとって、同じ時間を共有することがお互いの精神的安定につながると考え、面会時間の設定や共に病棟内の行事に参加するなどの取り組みを行った。
考察
児の社会的入院の受け入れ先としては小児施設が多く、母子で同じ病棟に入院できることは少ない。本症例の母子も別々の施設に入所となり、本院で共に過ごせた時間は貴重であった。その貴重な時間に対し、本院で取り組んだ内容について検討することで、今後もあり得る親子の同時入院時の援助に活かしたい。