日本重症心身障害学会誌
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一般演題
O-2-G10 三重県内4医療福祉施設の重症心身障害児(者)在宅支援の状況について
村田 博昭高橋 純哉大橋 浩村松 順子山方 郁広横山 尚子大友 正明倉橋 美由記安間 文彦藤澤 隆夫樋口 和郎二井 英二庵原 俊昭
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2015 年 40 巻 2 号 p. 240

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抄録
重症心身障害児(者)の在宅支援として三重県の医療福祉施設では国立病院機構鈴鹿病院、国立病院機構三重病院、三重県立草の実リハビリテーションセンター、済生会明和病院なでしこで短期入所、日中一時支援(日帰り入院)および通所サービスが実施されている。われわれは4施設の状況について2010年から集計し、施設の地域偏在や医師看護師確保の問題から未就学児、超重症児はほぼ三重病院のみで受け入れていること、および病床数不足など、三重県の現状と課題について本学会などで報告してきた。今回は2014年度までの5年間を集計し、その経過と利用状況について分析し報告する。 対象方法 2010〜2014年度の各施設の短期入所、通所サービス利用状況、大島分類、超重症児スコア、年齢分布、居住地などを集計したデータを収集した。なお今回の調査には個人を特定するデータは含んでいない。 結果 前年度との比較では、4施設の短期入所利用合計者数の年間のべ数は2359日・人から2719日・人に増加し調査を開始してから最多となった。特に三重病院(1268→1544)、草の実(204→370)で増加していた。月別では一昨年までと同様に8月が最多で希望日の集中がみられた。一方のべ数を実際に利用した人数で除算し一人あたりの利用日数を概算したところ、2010年度:22.2、2011年度:18.1、2012年度:16.4、2013年度18.3、2014年度:16.4(日/人/月)であった。医療ケアが必要な患者数は2013年度と変化なかった(人工呼吸器20→21、気管切開26→27)。 考察 一人あたりの利用日数は5年間の傾向としてはやや減少している。受け入れ可能病床数は変わらないため状況がこれ以上悪化しないようにする必要がある。受け入れ病床不足を補う視点からも地域のかかりつけ病院での受け入れが望ましいと思われるが、様々な問題があり進展していない。
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© 2015 日本重症心身障害学会
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