日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-1-E11 名古屋市小児在宅支援マップ製作の意義
浅井 隼人三浦 清邦鈴木 由夫
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 42 巻 2 号 p. 233

詳細
抄録

人工呼吸器装着児を含め重症心身障害児(以下、重症児)の9割以上が自宅で療養生活を送っている。そのケアを担う家族の負担はきわめて重い。障害者総合支援法など法律や行政の体制整備は進んでいるが、有用な医療・福祉制度があってもその複雑さや現場医師の情報不足から家族に知らされず十分に生かされていないのが現状である。在宅療養が始まってからの数年は家族は自宅に引きこもりがちで自力での情報収集は困難である。そこで在宅療養の入口である退院時までに家族に有用な情報を届けられるよう、名古屋市の小児在宅に関わる医療・福祉資源を一瞥で把握できるマップの製作を計画した。小児在宅勉強会でボランティア協力者を募り製作委員会を構成し、製作費用は勇美記念財団の研究助成金を充てた。重症児保護者へのアンケートを行い、実際に利用されているサービス・施設をリスト化していることが特色である。昨年12月に完成した「小児在宅支援マップ」は区役所福祉課・基幹相談支援センター・保健所・療育センター・重症児者施設などに配布した。そして市内・近郊の基幹病院(特にNICUをもつもの)には持参して直接勤務小児科医に活用をお願いしている。このマップは特に在宅移行後早期の家族には有用であると期待されるが、有志のグループによる製作事業であるため継続性・更新性が担保されない。今後は名古屋市・愛知県に行政の事業として採用して頂けるよう働きかけていく予定である。 PDF版  http://www.toukeikai.com/sy_map.htm 「小児在宅支援マップ」←検索

著者関連情報
© 2017 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top