抄録
目的は重症心身障害者における誤嚥防止術後の長期的臨床像を明らかにすること。対象は当院の長期入所中の、年齢20歳以上かつ術後5年以上の25名とした。方法は2016年12月までの診療録を後方視的に検討した。結果は年齢22~57歳で、周産期障害17名、先天異常症4名、後天性脳障害4名であった。術式は喉頭気管分離-気管食道吻合術18名、喉頭摘出術6名、喉頭気管分離術1名。手術時の年齢は2~45歳、術後観察期間は5~23年。術後の肺炎罹患頻度は改善を認めたが、長期経過中4名が加齢に伴う変形拘縮の進行により人工呼吸管理となった。 経口摂取は18名で再開可能になったが、摂取量は、おやつや1~2食程度で、経管栄養の離脱例はいなかった。また、術後12名で空気嚥下症(イレウス反復4名)が管理上問題となり、摂食の阻害要素にもなった。誤嚥防止術は誤嚥の抑制により呼吸の安定化に加え、経口摂取の再開も期待できるが、経口摂取例の長期経過では空気嚥下症による消化管合併症が問題になる。