抄録
はじめに
利用者の要望を多職種で共有し利用者ファーストの実現から栄養管理の充実を目指してきた。今回その視点で業務変更した事例を通して重症心身障害児(者)施設の管理栄養士として何が必要か考察したので報告する。
方法
業務変更した事例より後方視的に検証した。倫理的配慮は口頭にて説明し同意を得た。
事例
(1)平日に提供しているラーメン出張サービスを学校が休みの日に開催して欲しいと要望があった。→給食受託業者協力のもと平日から土曜日へ変更し出来立てのラーメンを食べることができた。
(2)経管栄養利用者が以前のように病棟での行事食に参加したいと要望があった。→行事食開催前の病棟担当者との打ち合わせで相談し当日の体調を確認の上、食事の盛り付けを担当してもらった。
(3)亜鉛補給目的の栄養補助食品が嗜好に合わず飲みにくいため変えたいと要望があった。→担当スタッフから利用者へ成分の類似する他製品を紹介してもらい変更希望を確認し、医師へ提案を行った。以前より飲みやすいと感想を聞くことが出来た。
(4)経管栄養利用者に提供している手作りゼリーを嗜好に合わせた味にして欲しいと要望があった。→病棟ラウンド時に好みのゼリーの味を伺い受託業者に比較的時間のとれる日曜日に提供を依頼した。毎週日曜日にあんぱんゼリー等を提供し満足している。
結果
4症例とも要望に応えることができた。
考察
施設管理栄養士は、利用者からニーズを取り出すために積極的に病棟ラウンド等を行い利用者や病棟スタッフと関わることに努めた。また受託業者の業務内容を把握し具体的な指示により利用者本位の要望実現につながるよう働きかけた。利用者ファーストの実現と栄養管理の充実のためには施設管理栄養士が病棟と受託業者の連携を密にするため情報の共有に努めることが役割の一つであると考える。今後も多職種連携を強化しさらなる栄養管理の充実に努めていきたい。