日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-2-A19 子どもの発達に必要なこと
−児童発達支援を通して−
古賀 仁那南 和徳植松 明美中富 明子宮副 治子國場 英雄
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2018 年 43 巻 2 号 p. 366

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抄録
はじめに 当センターは重症心身障害児(者)を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービス・生活介護の多機能型事業所を併設運営している。2017年4月よりセンター所属の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下、Th)がチームを組み、利用児に対して、積極的に直接介入した結果、成長発達の改善を得られたので報告する。 経過 2016年7月まで、Thの配属はあったが、センターとの兼務でもあり、間接的介入で支援を行っていた。しかし、指導員や保護者の要望があり、Thの直接介入を行うことになった。2017年4月から、個々の利用者への評価を行い、リハビリプログラムを作った。加えて、自宅、通園・通学先や他事業所とも連携し生活全般にわたってプログラムを継続した。介入後、精神運動発達や身体機能レベルの向上が得られた。 症例紹介 6歳ダウン症女児自宅と保育園が主な生活の場で、十分な訓練を受けていなかった。5歳までいざり動作が主な移動手段であった。自閉傾向があり、遠城寺式・乳幼児分析的発達検査の社会性・言語は測定不能であった。介入後、身体機能面では、独歩可能となった。遠城寺式・乳幼児分析的発達検査の社会性・言語は社会性DQ15、言語DQ14と伸びが見られた。 考察 当センターの児童発達支援事業では、Thが間接介入から直接介入へと移行したことで、指導員との連携が円滑かつ密になった。また自宅や通園・通学先、事業所との連携を図り、プログラムを生活全般に取り入れて継続することで、精神運動発達の改善や身体機能レベルの向上が見られた。今回の経験からThが直接介入を行うことはより質の高いサービスの提供ができると思われた。また症例に関わる環境が連携することにより、よりよい成長発達が期待できると思われた。
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© 2018 日本重症心身障害学会
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