抄録
目的
当院では、約30年前から、在宅支援として短期入所事業を行ってきた。近年、医療政策として急性期病院からの在宅移行が推進されていることも背景に、重症心身障害児の在宅患者が増加する傾向にある。年少の患者、医療度の高い利用者が増加していることも特徴である。年少者・重症者の短期入所の受け入れには、急性期病院や他施設との連携も重要となっている。近年の当院における短期入所の現状をまとめ、報告する。
方法
2015年から2017年における当院の短期入所利用の状況を調査し、年齢層・医療度などを検討した。また、重症者における急性期病院や他施設との連携の実態を調査した。
結果
3年間で、短期入所利用者数、利用日数は増加傾向にあった。利用者の必要とする医療内容は多岐にわたった。低年齢・重症者の利用の増加を認めたが、医療度の低い利用者も増加していた。利用目的の多くはレスパイトであったが、母親の就業を目的とした利用が3件あった。新規利用者の受け入れ時には、急性期病院からの診療情報の提供がされていた。関係者でのカンファランスも複数回行われていた。電子メールでの双方向性の情報交換により、よりリアルタイムの情報交換を行った患者もいた。医療度が高く在宅療養を継続するのが困難と思われる利用者において、定期的な利用を行うことで、病状の安定と家族負担の軽減を行い、在宅療養を継続できていた。
結論
短期入所の利用者数は増加しており、また利用目的の多様化も認めていることから、在宅支援としての短期入所の必要性は増していると考えられた。年少者・重症者の受け入れには、急性期病院を含めた多施設での情報交換が必須であった。