日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-2-C23 地震発生時における初動体制の構築に向けて
−アクションカード作成に向けた取り組み−
谷野 町子浅岡 久夫元吉 梨栄
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 43 巻 2 号 p. 395

詳細
抄録
はじめに 近年、首都直下地震等の発生が危惧されている。A施設では災害時マニュアルやアクションカードを備えているが、職員は不測の事態の対応に不安を抱いている。そのため、病棟の特徴をふまえ実効性のあるアクションカードを作成し地震発生直後の具体的な行動を明確にする必要がある。 方法 1.研究期間2017年6月から2017年9月まで 2.研究対象看護師:20名、保育士:2名 3.実施方法  1)アクションカード作成  2)地震想定の災害対応訓練(以下、訓練)実施  3)質問紙調査(以下、質問紙)、災害対応状況調査、フォーカス・グループ・インタービューを実施。 4.分析方法数値データ分析は単純集計・平均値で算出。インタビュー内容は類似性を質的に分析。 5.倫理的配慮本研究は、所属施設の倫理審査委員会の承諾を得た。 結果・考察 1.地震に関する知識質問紙の平均正答率は訓練前が71.3%、訓練後が82.1%であった。このことは、職員の理解度に合わせた働きかけで知識が向上し平均正答率が10.8ポイント上昇したと考える。 2.アクションカードの有用性災害対応状況の平均達成率は、指揮/統制が83%、安全が79%、情報伝達が89%、評価が100%であった。全体平均は87%であった。このことは、アクションカードは有用で地震時対応は大凡できたといえる。また、インタビューではアクショクカードに対して「訓練を定期的にやらないと身につかない」、「見たから行動できた」等の23の意見があった。インタビューではアクションカードの内容に肯定的な意見が52%であった。このことから、病棟の特徴にあわせたアクションカードを作成できたと考える。しかし、アクションカードの活用を不安視する意見があったため、今後活用方法について働きかけが必要と考える。 結論 1.地震発生直後の対応に向け病棟の特徴にあわせたアクションカードを作成できた。 2.アクションカードの有効活用に向けさらなる働きかけが必要である。
著者関連情報
© 2018 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top