日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
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一般演題
O-25-01 三重県内4医療福祉施設の重症心身障害児(者)在宅支援の状況について
村田 博昭大橋 浩岩本 彰太郎西村 淑子丸澤 由美子村松 順子青木 哲也野口 雅弘高橋 純哉久留 聡藤澤 隆夫
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2019 年 44 巻 2 号 p. 409

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抄録

重症心身障害児(者)の在宅支援として三重県の医療福祉施設では国立病院機構鈴鹿病院、国立病院機構三重病院、三重県立子ども心身発達医療センター、済生会明和病院なでしこで短期入所、日中一時支援(日帰り入院)および通所サービスが実施されている。我々は4施設の状況について集計し、三重県の在宅支援の現状と課題について本学会などで報告してきた。昨年は三重県立草の実リハビリテーションセンターが三重病院の隣接地に再編移転し三重県立子ども心身発達医療センターとして開院したが、全体的な利用状況への影響は軽微であったことなど報告した。2018年度は三重病院で通所の送迎を開始した一方で鈴鹿病院では市の支援で行われてきた送迎が廃止された。今回は昨年までの9年間を集計分析するとともに課題などについて考察する。 対象方法 2010〜2018年度の各施設の短期入所と通所サービス利用状況、大島分類、超重症児スコア、年齢、居住地などを集計したデータを収集した。なお調査には個人を特定するデータは含んでいない。 結果・考察 4施設の短期入所利用合計者数の年間のべ数(日・人)は2010〜2012年度は1599〜2171だったが、2013〜2018年度は2400〜2600でほぼ同レベルを保っている。施設別ではなでしこと鈴鹿は増加、三重、子ども心身は減少した。重症度では2015年以降、気管切開、人工呼吸管理が必要な患者がほぼ倍増しており、医療的ケアが必要な患者の増加、施設受け入れ体制拡充の効果と思われる。課題として施設側の負担の増加への対応などがあげられる。 通所サービス利用年間合計のべ数は子ども心身786(24%増)で再編移転の効果と思われ、なでしこは2189(3%減)でほぼ現状を維持したが、三重病院550(18%減)で送迎開始の効果が不十分、鈴鹿510(14%減)で送迎縮小の影響と思われ、施設間に差が生じている。 申告すべきCOIはない。

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© 2019 日本重症心身障害学会
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