2020 年 45 巻 3 号 p. 231-240
2011年に創設された日本重症心身障害福祉協会認定の重症心身障害看護師制度においては、2017年3月末現在、7つの教育機関で研修が行われ、計449人の看護師が研修を修了している。教育機関の全国拡大を機に、認定教育機関における研修(以下、研修)を受講した看護師を対象に、研修の目標達成と課題を明らかにすることを目的に調査を行った。調査結果から「看護の質・専門性の向上」では、受講前と比べて18項目中10項目で70%以上の受講者が専門性の向上を認識していた。施設における「指導的役割の遂行」では、学習会・研修会等を担う役割の拡大が認められた。また、他施設の職員との交流やネットワークができ、施設の垣根を越えた研修の良さが確認できた。一方、課題としては、研修内容の改善とともに看護管理者による支援体制の構築を行う必要性が明らかとなった。