日本重症心身障害学会誌
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Print ISSN : 1343-1439
論策
ISO80369-3に準拠した経腸栄養分野新規格製品の小児領域における問題点
永江 彰子淺野 一恵片山 珠美徳光 亜矢口分田 政夫
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キーワード: ISO80369-3, 胃瘻栄養, 在宅
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2020 年 45 巻 3 号 p. 309-312

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抄録

医療事故防止対策の推進や、国際的な整合による製品の安定供給のために、我が国においても異なる分野間の相互接続を防止する国際規格ISO80369-3(新規格製品)が2019年12月より導入され、2021年11月末には既存規格製品と両者の相互性のための変換コネクタの支給が終了する予定である。しかし、米国における新規格製品への移行率は導入から3年が経過しているにもかかわらず20%以下である。移行率の低さの原因としてネジ部分の汚染、ネジ操作やアダプター着脱の煩雑さおよび急な牽引による腹壁損傷の可能性等が挙げられるが、これらは在宅注入栄養者にとって特に負担となるものである。注入栄養は在宅等で非医療従事者によっても実施されている医療的ケアであるため、関連するデバイスは様々な視点から合理性を追求する必要がある。新規格製品の小児科領域における問題点を徹底的に検証する必要があること、そのために既存製品の使用期限の延長が必要であることを新規コネクタ問題プロジェクトチームより提言する。

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© 2020 日本重症心身障害学会
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