日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
論策
重症心身障害児(者)施設における「臨床検査技師の役割とやりがい」について
−検査技師分科会におけるアンケート調査−
田村 えり子泉 明佳
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2020 年 45 巻 3 号 p. 313-318

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抄録

重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))施設における臨床検査技師は、検体検査や生理学的検査だけでなく感染症対策など各種委員会での重要な役割もあり、少人数でそれらの業務を実施している施設が多い。全国重症児(者)施設職員研修会において2008年から開催している検査技師分科会からは、臨床検査領域で重症児(者)に特有の課題・問題が多く存在しており、各施設、各技師の工夫で対策して検査を実施している状況が窺えた。そのような状況の中で業務を行う臨床検査技師の思いについて、2018年検査技師分科会において全国134施設に対し「重症児(者)施設における臨床検査技師の役割とやりがい」としてアンケート調査を実施した。回収率は20.2%と低かったが、「役割を感じる」という回答が92.9%、「やりがいを感じる」という回答が89.3%であった。今後、より組織化した検査技師分科会等の活動を行い、多くの課題に対し体系的な対策を考えて情報発信し、多くの重症児(者)施設の臨床検査技師がそれらの情報を共有して検査全般に生かし、重症児(者)医療に貢献していくよう努めることが、さらなる臨床検査技師の役割とやりがいにつながるものと考える。

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