抄録
医療事故防止対策の推進や、国際的な整合による製品の安定供給のために、異なる分野間の相互接続を防止する経腸栄養分野の国際規格ISO80369-3(以下、新規格製品)がすでに導入されている。経管栄養ルートを栄養剤の注入以外にも頻繁に使用している重症心身障害児(者)医療の現状評価として、同ルートコネクタ部分の着脱回数を3施設合同で検証した。日勤帯5日間、経管栄養者156名と看護師140名を対象に着脱回数をカウントし、経管栄養者1人当たり日勤帯に11回の着脱操作を必要とし、看護師1人当たり同時間帯に2.86名の担当する経管栄養者に対して32回着脱操作を行うことがわかった(回数は中央値)。さらに、着脱回数は、ミキサー食の実施、定期薬の数や種類、看護業務体制の違いによって、経管栄養者1人当たり最大65回、看護師1人当たり最大187回であることがわかった。既存規格製品では差し込み式のコネクタであるのに対し、新規格製品ではスクリュー式のロック操作が必要となることから、それらの導入は、業務による時間的身体的負担が生じる可能性がある。