日本重症心身障害学会誌
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O-1-09 当センターのコロナ禍における短期入所利用状況についての報告
近藤 正子船戸 正久
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2021 年 46 巻 2 号 p. 228

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抄録
はじめに 大阪府は感染者も多く、緊急事態宣言やまん延防止措置などでかなり厳しい状況が続いている。当センターのコロナ関連のキャンセルや短期入所利用者へのアンケート調査について報告する。 対象・方法 コロナ関連のキャンセルは利用実績より集計し、アンケート調査については2019年度利用者301名を対象とした。 結果 2020年度のコロナ関連のキャンセルは、121名577日で、最も多い理由は「心配・不安・予防」で64名264日あった。次いで、利用後に濃厚接触者と判明した方を受け入れた際にキャンセルを依頼した16名91日であった。アンケート調査の回収状況は156名で51.8%で、その内43名の方が2020年度の利用がなかった。その理由として、コロナによる自粛25名、コロナ禍により利用する理由がない10名であった。福祉サービスを制限した理由として、コロナ感染が怖いためが64名と最も多く、次いで事業所からの制限や自粛の要請があった42名であった。コロナ禍においても継続して欲しいサービスでは短期入所が111名と最も多かった。本人の様子は、感染などの体調変化については「変化なし」が130名、筋緊張や身体活動については「変化なし」が120名、食事や睡眠、覚醒などの生活リズムについては「変化なし」が126名、精神面や心理面の変化については「変化なし」125名であった。一方介護者の様子は、コロナ前の生活環境については「変化なし」87名、「悪くなった」60名で、介護にかける時間については「変化なし」74名、「増加した」73名であった。また主介護者の体調については「変化なし」88名、「悪くなった」57名であった。 考察 アンケート結果で、世間の感染状況に一喜一憂しながら、本人が感染しないように介護者は心身ともに多くの負担を負いながら日々の生活を送っている様子が伺えた。その中での短期入所の役割はとても大きく、コロナ禍における短期入所のあり方を見直すことも必要であると考える。
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