日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-15-08 重症心身障害児(者)施設に所属する摂食・嚥下障害看護認定看護師に求められる役割
濱崎 佳奈山下 伸子
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 46 巻 2 号 p. 285

詳細
抄録
はじめに 大半が摂食嚥下障害を抱える重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))施設所属の摂食・嚥下障害看護認定看護師(以下、CN)が担う役割は大きく、どのような役割を期待されているのか調査し、活動内容を検討した。 目的 重症児(者)施設でのチーム医療における摂食・嚥下障害看護CNの在り方を検討する。また、同様の立場にある看護職の今後の活動の一助とする。 方法 1.対象:90床規模の重症児(者)施設に所属する医療従事者のうち研究協力の得られた7職種118名、2.データ収集・分析方法:摂食・嚥下障害看護CNの概要について周知後、質問紙調査を行い記述統計より考察した。 結果 アンケート回収率:89%、「摂食嚥下障害の病態理解・アセスメント強化」、「摂食嚥下機能の評価」、「チーム医療でのリーダーシップ」、「摂食嚥下訓練の強化」、「摂食嚥下障害の増悪予防・リスク管理」、「摂食嚥下障害患者の倫理保持」、「在宅療養者との関わり」、「摂食嚥下リハビリテーションの推進」、「CNの存在が及ぼす医療従事者への心理的影響」、の9カテゴリーが抽出された。 考察 摂食嚥下障害ケアへの不安を抱えるスタッフは多く、教育システムの構築、摂食嚥下関連組織におけるリーダーシップがCNに求められている。CNが中心となり摂食嚥下障害への理解の促進・協力要請を発信し多角的な視点からのアプローチ、チーム医療の強化に繋げていく。 結論 重症児(者)施設でのチーム医療におけるCNの役割として、1.重症児(者)の摂食嚥下障害への理解促進、2.摂食嚥下評価・ケアへのスキルアップのためのアプローチ、3.二次合併症予防のためのリスク管理、4.組織・診療報酬算定におけるリーダーシップ、5.相談窓口、6.多職種や家族との連携・調整役、が示唆された。
著者関連情報
© 2021 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top