日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
論策
重症心身障害者の慢性便秘症に対するポリエチレングリコール製剤の効果と副作用の検討
鶴﨑 泰史上野 知香山本 修一
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 47 巻 3 号 p. 421-427

詳細
抄録
慢性便秘症を呈する重症心身障害者(以下、重症者)に対して、ポリエチレングリコール製剤(以下、本剤)の効果と副作用の検討を行った。本剤投与により、自発排便回数の有意な増加が認められた(p= 0.04)。浣腸などの救済薬の使用回数は、投与開始4週目に有意に減少した(p= 0.03)。本剤投与前後で、便硬度の有意な変化を認めなかった。有害事象については、安全上の臨床的問題を認めなかった。本剤は重症者における慢性便秘治療の新たな治療選択肢になることが期待される。
著者関連情報
© 2022 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top