抄録
重症心身障害児の多くが施設で生活し医療を受けていた時代から、入所施設は重症心身障害医療を学ぶ上での重要なフィールドであった。そして在宅医療が主流となった現在も、「支える医療」「命と人生を輝かせる医療」という言葉は、重症心身障害医療に携わるすべての人の心の拠り所である。近年「医療的ケア児」という新たな概念が導入され、家族支援に目が向けられるようになったが、医療的ケア児の多くは重症心身障害もあり、本人を中心にした支援の基本に変わりはない。相互連鎖する様々な重症心身障害の合併症に対しては、支えるだけではなく「合併症予防に挑む医療」が昨今様々取り入れられ、今後の発展が期待される。地域共生社会における重症心身障害児者施設の役割については、地域特性を考慮しながら今一度見つめ直し、あらたな機能を模索していく必要がある。