抄録
【はじめに】アトピー性皮膚炎 (AD) 患者皮膚には様々な微生物が常在し、真菌では Malassezia、細菌では Staphylococcus aureus が本症の増悪に関与している。この度は、AD 患者皮膚に常在する微生物を rDNA クローンライブラリー法を用いて網羅的に解析したので報告する。【材料および方法】 AD患者および健常人 (HS) 患者皮膚にテープストラッピングを行い、DNA を抽出した。真菌は ITS-D1/D2 26S rDNA を、細菌は 16S rDNA を標的として PCR 増幅後 TA クローニングを行い、rDNA 塩基配列を解析した。【結果および考察】 2,000 クローン以上を解析した結果、真菌は Malassezia sp. および Cryptococcus sp. ともに AD 群の方が多様化していた。細菌は AD 群に Pseudomonas sp.、Corynebacterium sp. および Neisseria sp. が高頻度に検出されたが、AD の増悪因子として考えられている S. aureus は半数程度の AD 患者からしか検出されなかった。また、真菌および細菌の新種に相当するクローンを複数見い出した。以上、AD 群の方が HS 群より微生物叢は多様化しており、従来から増悪因子として知られている Malassezia sp. や S. aureus 以外の菌種も着目する価値があると考えられた。なお、主要フローラの real-time PCR による定量値についても併せて報告する予定である。
【会員外共同研究者】原田聡、大南友見