日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-61
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アトピー性皮膚炎患者皮膚に常在する Malassezia の定量—TaqMan プローブを用いた real-time PCR による検討—
*駒峯 律子杉田 隆田嶋 磨美津福 久恵坪井 良治西川 朱實椙本 明香白神 博
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抄録
【はじめに】好脂性酵母 Malassezia はヒトの常在菌である。われわれはこれまでに非培養検出系を用いてアトピー性皮膚炎 (AD) 患者皮膚の菌叢を解析し、M. globosa および M. restricta が主要な構成菌種であることを報告してきた。この度は、TaqMan プローブを用いた Real-time PCR により皮膚に定着する Malassezia を高精度に定量することが可能となったので報告する。【材料および方法】皮膚常在 Malassezia は、AD 患者皮膚をオプサイトを用いてテープストラッピングすることにより採取し、ここから直接 DNA を抽出した。全 Malassezia 菌種検出用 TaqMan プローブは 26S rDNA 上に、また M. globosa および M. restricta の検出は ITS2 上に設計し、AB7500 システムを用いて定量・検出した。【結果および考察】102 コピー以上で定量が可能であり、作製したプローブ-プライマーセットは目的 DNA 領域のみを増幅した。AD 患者皮膚の Malassezia 量は、頭頚部>体幹>四肢の順であり、また部位により M. globosaM. restricta の菌量に大きな差異は認められなかった。Malassezia は AD の増悪因子と考えられていることから、AD の治療に抗真菌薬投与が試みられている。本定量・検出系を用いることで治療前後の菌量推移を調べることが可能である(関連ポスター参照)。
【会員外共同研究者】原田聡、大南友見
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© 2005 日本医真菌学会
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