日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-62
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頭頚部難治性アトピー性皮膚炎患者へのケトコナゾールクリーム外用による Malassezia の菌量と臨床効果および血中 IgE 抗体価の推移
*田嶋 磨美杉田 隆伊藤 友章加藤 博司西川 朱實坪井 良治
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抄録
Malassezia は皮膚の常在菌で、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎(AD)、瘢風などの病因や増悪因子として考えられている。Malassezia は現在 11 菌種が報告されているが、我々は非培養法によりいずれの疾患でも M. globosa, M. restricta が高頻度に定着していることを報告してきた。今回は頭頚部の難治性 AD 患者に、ケトコナゾールクリームを従来の治療に重ね塗りした際の治療効果および、Malassezia の菌量の変化を Malassezia ユニバーサルプライマー、 M. globosa および M. restricta 特異的プライマーを用いた real-time PCR で検討した。その結果、ケトコナゾールクリーム外用により Malassezia spp.、 M. globosa および M. restricta の菌量は減少し、臨床症状も軽快した。また血清中の非特異的IgE抗体、Malassezia 特異的 IgE 抗体、M. globosa 特異的IgE抗体、M. restricta 特異的 IgE 抗体、 Mal f6 IgE 抗体、 MnSOD IgE 抗体についても測定したところ全て低下していた。以上のことから Malassezia は AD の増悪因子の 1 つであり、除菌により臨床症状も改善することが示唆された。
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© 2005 日本医真菌学会
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