抄録
方法:当科外来を受診した爪白癬患者 100 例から得られた爪サンプルについて、サブローブドウ糖寒天培地上に接種し、27℃ で培養、最大 2 ヵ月間観察した。同じサンプルを凍結・超音波破砕し DNA を抽出、リボゾーム DNA 上の ITS 領域を用いた PCR をおこない、得られた PCR 産物を Mva I、Hinf I の各制限酵素で消化し、切断パターンを分析した。結果:培養法の同定率が 19% にとどまったのに対し、PCR-RFLP 法では 71% であった。爪サンプルの重量と同定結果には因果関係が認められなかった。考察:爪白癬の起因菌同定は、かねてより培養成功率の低さが問題となっていた。これは主に爪における菌の viability によらない、爪サンプルから直接行う PCR-RFLP 法は、起因菌同定に非常に有用であると思われた。