抄録
目的:ヒト血清中の Aspergillus fumigatus に対する micafungin (MCFG) と itraconazole (ITCZ) 2 剤の併用効果を評価するため、菌糸成長速度を指標に post antifungal effect (PAFE) を BioCell Tracer (BCT) で測定した。また、2 剤併用後の菌糸の形態変化についても検討した。材料と方法:患者分離株である A. fumigatus 3 株(IFM 51126、51357 および 49896)を供試菌とした。菌株は PDA スラントで培養の後、分生子を集めた。両抗真菌剤の濃度は MCFG 5.23 μg/ml、ITCZ は 1/2 MIC 値を用いた。測定法:分生子約 3-5 x 103 個を接種、RPMI 1640 で前培養した後、1 ml の健常者ヒト血清に交換した。MCFG と ITCZ は単剤、2 剤同時および 5 分間のインターバルを持って添加順序を異にした群とに分け、BCT により菌糸先端の成長速度を測定した。結果および考察:MCFG と ITCZ の単剤効果と比較し、MCFG と ITCZ の併用は同時および添加順序の異なる群にかかわらず併用効果を認めた。なかでも MCFG を最初に、その後 ITCZ を併用させた群が持続的な成長抑制を示すと共に、菌糸先端の崩壊現象を認めた。