抄録
食道カンジダ症の予防法や治療法の検討のため、マウス食道カンジダ症モデルを作製し、ITZ-OS の有効性を検討した。
ICR マウスに感染前日にプレドニゾロン (100 mg/kg) を投与し、菌接種時にクロルプロマジン (12 mg/kg) を投与し、食道内にCandida albicans (TIMM 2640)を 4×107 cells 注入した。感染後 3 日目に食道内腔を観察し、食道組織内の Candida 生菌数を求めた。なお、マウスは塩酸テトラサイクリン添加の飲料水で飼育した。ITZ-OS は 4 及び 20 mg/kg の投与量で直接胃内に、又は 0.8、4 及び 20 mg/kg の投与量で口腔内に、感染後 3 時間から 1 日 1 回、計 3 回投与した。対照群には基剤溶液を投与した。
未処置群マウスの食道内腔に白苔が観察され、食道組織内から個体あたり約 106 個の Candida が検出された。食道では Candida の菌糸形発育及び炎症性細胞の集積が認められた。本モデル動物を用いて ITZ-OS の有効性を検討した。ITZ-OS 胃内投与群では 20 mg/kg で、口腔内投与群では 0.8 mg/kg 以上で、基剤投与群と比較して食道組織内生菌数の有意な低下が認められ、特に口腔内投与で低投与量から作用を示すことが確認された。
以上のように、食道内腔に白苔をともなう新規マウス食道カンジダ症モデルを作製した。本モデルに対して ITZ-OS は有効性を示し、用法としては、口腔内投与の方がより有効性を発揮することが示唆された。