抄録
【はじめに】新規外用抗真菌薬ルリコン® クリーム (1% ルリコナゾールクリーム) の有効性を実験的に評価するために,モルモット足白癬モデルにおける除菌効果を,薬剤不活化培地を用いて既存薬と比較検討した.【材料および方法】ルリコン® クリームならびに市販の塩酸テルビナフィンクリームおよびビホナゾールクリームを用いた.T. mentagrophytes TIMM 2789 分生子をモルモット後肢足底に接種して作製した白癬モデルに,各薬剤を 1 日 1 回, 局所当たり 0.1 mLの用量で,1, 3, 7 および 14 日間連日塗布した。薬剤の塗布終了 14 日後に感染局所皮膚を採取し,薬剤不活化培地としてレシチン (1%) および Tween 80 (0.7%) 含有 SDA 培地を用いた回収培養を行った.【結果および考察】ルリコン® クリームは,1 日塗布で培養陽性率を 90% (対照: 100%)に,また平均感染強度を +5.3 (対照: +10.0)に低下させ,7 日間以上の塗布では完全な培養陰性化を達成した.塩酸テルビナフィンクリームについては,1 日塗布では培養陽性率に影響はみられなかったが,平均感染強度は +6.9 に低下した.培養陽性率に影響がみられたのは 7 日間以上塗布した場合であり,14 日間塗布では完全な培養陰性化が認められた.ビホナゾールクリームの除菌効果は最も低く,14 日間塗布でも培養陽性率は 100% と対照と差は無く,平均感染強度も +6.0 (対照: +9.5) であった.以上,ルリコン® クリームは既存薬に比べて,より短い塗布期間で,より優れた真菌学的治療効果を発揮することが確認され,臨床での有効性が期待された.