日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-117
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うっ滞性皮膚炎患者の潰瘍底部に見られた Phoma 属による集落形成の 1 例
*千見寺 貴子比留間 政太郎高森 建二宮治 誠杉田 隆
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抄録
74 歳女性、主婦、園芸歴なし。2002 年 3 月より両下肢の静脈瘤、うっ滞性皮膚炎。2003 年 2 月より爪白癬にて内服治療。2003 年 10 月、掻破後より右足背に潰瘍出現。右足背中央に 4 cm × 2 cm、一部に壊死組織を伴い、辺縁の盛り上がりのない潰瘍を形成した。病理学的には潰瘍底の一部に PAS 陽性の不規則に分岐屈曲した菌糸と胞子を認めた。サブロー寒天培地ではコロニーは灰白色、綿毛様。ポテトデキストロース培地では黒色調で酵母様。分生子殻の形成は認めなかった。スライド培養所見は、有隔菌糸 (septate hypha) で長い菌糸を作り、菌糸先端もしくは隔壁 (septum) と隔壁の間に厚膜分生子 (chlamydoconidium) 様の細胞を作った。分生子殻 (pycnidium) の産生はないが、分生子殻外でフィアライド (phialide) から分生子の産生される像が見られた。遺伝子解析では、リポゾーム RNA 遺伝子の D1/D2 は Phoma と 99% 以上の相同性を示した。治療経過としては 2003 年 12 月からイトラコナゾール 200 mg/日内服開始するも潰瘍不変にて中止。皮膚生検後の 2004 年 7 月より再びイトラコナゾール 200 mg/日内服を開始したが、9 月で中止。その後クロトリマゾールクリーム、クロルマイセチン軟膏、ヨウ素剤外用治療を行っているが、潰瘍は不変である。真菌は潰瘍底を被覆する壊死物質の中で増殖しており、壊死物質内にとどまっており、肉芽組織内への侵入はないことより一次的に Phoma が潰瘍を形成しているとは考えがたく、うっ滞性皮膚炎による潰瘍に二次的にPhoma 感染が起こり潰瘍を難治化させていると考えた。
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© 2005 日本医真菌学会
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