抄録
臨床検体からの分離カンジダ属における non-albicans Candida (NAC) の増加が報告され、抗真菌薬に対する感受性の違いから注目されている。NAC のなかでも C. glabrata による真菌血症は、Candida albicans の場合と比較して予後不良であることが示されており、NAC の分離頻度や薬剤感受性がどの程度であるか把握することは、重症患者を取り扱う場合には重要な情報となる。しかし分離頻度や薬剤感受性は主として海外の報告に基づくものであり、本邦とは AIDS を含めた疾患背景に違いがあり、臨床に直結するデータが必要と考えられた。そこで 1989 年以降 2003 年までに長崎大学において臨床検体から分離同定されたカンジダ属菌種の頻度を検討し、また、C. glabrata に関して FLCZ、ITCZ、5-FC、AMPH-B、MCFG に対する薬剤感受性の検討を行った結果、分離頻度、薬剤感受性には大きな変化は認めなかった。また、C. glabrata による真菌血症に関して臨床情報を含めた検討を行い報告のように患者の予後は悪いことが確かめられた。ただし、薬剤感受性には差は認めなかった。